「夏陰－Cain－」／水原とほる

★☆☆☆☆(なんだか腑に落ちない)

＜紹介文より＞
大学生の沢田雪洋は早くに両親をなくし、結婚を控えた姉と二人で慎ましく暮らしていた。
しかしアルバイト先のバーで冷酷な瞳の男・岡林祐司と出遭ったことで、それまでの平穏な日常はあっけなく崩壊する。
雪洋の清廉な印象を持つ美貌と意外にも強気な態度に心惹かれた岡林は、その体を陵辱したばかりか自分のものになれと言い放ったのだ。
暴力団の要人である岡林に刃向かう術もなく、雪洋は決して逃れられない腕へと堕ちてゆくが－!?
小説ピアス期待の新鋭、渾身の書き下ろし長編！

＜独り言＞
ヒィ！
初っ端からアワワワな暴力シーンでびっくり。
痛いよぅ。
でもね、頬の傷をきれいに手術してくれるのは整形外科じゃないよ…。

※以下、ネタバレ含む。

岡林が一目ボレを信じる乙女ティックやくざに見えるよ。
人生の伴侶を決めるには、ちょっと動機が弱いと思うんだけど。
ましてや責任ある人でしょ？
そんな一目惚れ的な感じでいいの？
あのバーでの出会い以前に何らかの接点があるんだろう、と願いながら読んでたんだけどなぁ。
岡林の執着っぷりに納得いかなかったもんですから、他のなにもかもが空回って見えました。
雪洋の心の機微ももっと書いてほしかったなぁ。
変な所でツンデレだしなぁ。
ツンデレの、あんまり愛の感じられないソフトSMかぁ。うーん。
ベッドでの雪洋の乱れっぷりにやや引く。
それもこれも岡林の執着動機がよくわかんなかったかr(ry
私の好みの問題もあるんだろうけど。

挿絵に占める裸体率が高くて笑いました。
斬新で印象的だったのは「やくざの小指にケーキ入刀」シーン。
こう書いちゃうとコメディに見えるけどそうじゃなくて、将来を共に歩む為の儀式が彼らに相応しく、残虐に演出されていていいなぁ、と。