「しあわせにできる」(6)／谷崎泉

★★★★☆

＜関連レビュー＞
「しあわせにできる」1,2,3,4,5／谷崎泉

＜紹介文より＞
突然退寮を申し渡された本田にあちこちから物件提供の申し出が。
久遠寺セレクトのベルサイユ風(?)マンションを振り切り、
誰にも借りは作りたくないからと激務の合間を縫って部屋捜しをする本田だが、
なかなか条件に合う場所が見つからない。
そんな時、静香個人のものだという立派な日本家屋を勧められる。
遠い記憶にある理想の家そのままの建物。
訳ありな雰囲気を察しつつも追及はせず、母の意向に従うことにした本田。
ついに久遠寺との同居生活におさらばか!?
ところが念願かなうはずの本田の目にはなぜか涙が…。
書き下ろしは引っ越し騒動裏話、各務が落合家の入り婿に？

＜独り言＞
一つの転換期といえる1冊ではないでしょうか。
本田の、久遠寺に対する気持ちという面においては。

6巻はお引越し一色の巻でした。
ちょうど私も入居日を明後日に控え、頭上より高く積み上げられた
引越しの段ボールに埋もれながらこの巻を読んでいたので(←荷造りしろよ)
引越しの大変さをヒシヒシと感じてました。
あー日頃使わない筋肉が悲鳴を…。

お引越し騒ぎ有り、ドナドナ有り、蛇に睨まれた蛙有り、
アノ人の涙有り、意外なカップルの予感有り
色々盛りだくさんで楽しい1冊でした。

※以下、ネタバレ含む。

なし崩し的に久遠寺との関係を続けていた本田さんですが
突然目の前から姿を消した久遠寺に動揺を隠せず
動揺したことで、自分の本心と向き合うことになるんですねぇ。
…ま、まんまと久遠寺の手中にはまってますよ！本田さん!!
各務曰く「仕事以外では頼りない」と評されている通り
プライヴェート(原作に倣ってみた)では放っとけないお人。
悪い人にコロっと騙されますよ…？
誰とは言いませんが。

スッピンまゆりさんが登場しました。
彼女もわりと好きなタイプでしたが
今回言ったセリフで好きさが決定的になりました↓

「私の人生は私だけのものでいい」

か…かっこいい…!!
それが言葉だけでなく、一人の人間としてしっかり生きている彼女だからこそ説得力のあるセリフなんですねぇ。
ステキです。