「百日の薔薇」1～2(以下続刊)／稲荷家房之介

★★★★☆(5つ付けたいけど…今後の展開によりけり。)

＜1巻紹介文より＞
敵国の軍人同士でありながら、主従の契りで結ばれているふたり。
一国の命運を担う気高く美しい指揮官、タキ・レイゼン。
彼に忠誠を誓う騎士であり、気性の荒さから『狂犬』と呼ばれるクラウス。
だが、ふたりを見る周囲の目はさまざまな危惧や心配から冷ややかだった。
純粋に想いあいながらも戦況の激しさに伴い過酷になる恋の行方は―!?

＜独り言＞
稲荷家房之介さんの作品は、挿絵も含めこの「百日の薔薇」が初めて。
こんな作家さんを知らなかったなんて勿体無いことしてた。
日々量産される内容の希薄なBLに嫌気がさして、商業誌を読まなくなって10年。
あぁ戻ってきて良かった。

メカも描けるし、オジサマも描ける。
戦線のゴチャ感とかホコリっぽさも秀逸。
デッサンも勿論上手いけど、私のイチオシはなんたって布!!
風になびいた布の美しさがストーリーを語ってる。
これは是非読んで確かめていただきたい。

「ゴールデンデイズ」（全8巻）／高尾滋

★★★★★

＜1巻紹介文より＞
異様に過保護な母親に反発しながら暮らす、高1の相馬光也。
そんな彼が心の拠り所にするのは、バイオリンと、入院中の祖父だけだった。
しかし、その祖父の容態が急変し、病院へ駆け付けた光也は
突然の地震に襲われて…!?
大正タイムスリップ浪漫登場！

＜独り言＞
彼らの表情に心を奪われ、彼らのセリフに息が止まった。
漫画で感じるこんな感覚は久しぶり。

近頃「泣ける映画」「泣ける漫画」などと謳った作品が目に付くが
私は、ああいった触れ込みは返って作品の質を落としている気がしてならない。
「泣ける」？
だからなんだってんだ。
泣きたいなら玉葱でも刻んでろ。

この「ゴールデンデイズ」は
安易に「泣ける」で一括りにしてもらいたくない。
「泣く為」に作品を読むのではなく
「作品に触れた結果、感情移入してしまう」だけ。

SILVER DIAMOND(7)／杉浦志保

★★★☆☆

＜関連レビュー＞
SILVER DIAMOND1,2,3,4,5,6／杉浦志保

＜紹介文より＞
異世界カリフマファンタジー。
壁のない家、黒いけもの、石のわんこ、そして迫る刺客…！
次々姿を変えて現れる進化形の不思議に羅貫たちは!?
描き下ろし番外編『バージョン・アップ』＆沙芽の皇子の警備隊・総おひろめと超充実の第7巻!!

「僕らにまつわるエトセトラ 」／九號

★★★☆☆

＜紹介文より＞
郁と恵太は幼なじみ。
物心つく頃には何をするにも一緒だった二人は、野球を始めたのも一緒だった。
しかし、中学生の頃、恵太は郁をかばって交通事故に遭い、野球のできない体に。
二人一緒に高校に進学したが、郁は野球部には入らず、恵太を避ける毎日。
離れようとする郁に恵太は…？
郁と恵太のその後を31P描き下ろした「僕らにまつわるエトセトラ」を収録した初コミックス。

＜独り言＞
短編集ですた。
どの作品も楽しめたけど、特に「いつか僕らは」「うつくしい明日」「僕らにまつわるエトセトラ」が良かった。
キャラが生きてる。脇キャラもステキ。
ちっちゃいコマでもバタバタしてるのがイイ。
高校生の小道具に奈良漬がシブイ。

肉体関係がなくてもストーリーが良ければいいの。
ちゅーだけでドキドキしてもいいの。
そう思うのは私だけなんでしょうか。

「未来の記憶風の行方」／国枝彩香

★★★★☆

＜紹介文より抜粋＞
恋人へのプロポーズに大失敗したカタブツ教師の健人。
ヤケ酒をかっくらい、見知らぬ美人(でも男)に尋常じゃない色気で誘惑され、すっごい一夜を過ごしてしまう。
しかし翌日、同僚教師として再会したソイツは、トンデモなツンデレ…!?

＜独り言＞
装丁がステキだったので買いました。
かつて2冊だった作品を1冊にまとめたようです。

描き下ろしも含めてとっても楽しめた1冊でした。
きどってないBLとでも言いますか
すんなりサクサク安心して読了。
でもマイノリティな私にとっては他人事と思えない
ドキっとする問題を再認識させられました。